1k≒innocence

散文だったり、アニメ分析だったり。日常が切り取られていく姿は夏のよう。

『夏色キセキ』だけじゃなかった!?伊豆半島はいろんなアニメの聖地だった(私的旅行記です)

先日(といっても一ヶ月前)ですが、最高の夏を体現すべく最高のライブを行いました。

Tweetvite :: 空想アニメフェス〜最高の夏にしようぜ〜

関係各位には感謝しております。回数が少ないせいか、純粋に楽しめたライブは社会人になってからのほうが増えました(2回しかしてないけど

 

最高の夏といえば夏色キセキということで、そのときのメンバーで伊豆は下田に1泊旅行を敢行しました。

 

伊豆半島の最南端、下田市といえば夏色キセキの舞台として全国認知度94.6%(帝愛データバンク調べ)を誇りますが、なんとこの旅で夏色キセキ以外の作品も多数体感することが出来ました。

こんなステキな場所が東京から2時間で行けるなんて!

 

以下写真を交えながら「実質あのアニメだった」というプレイスをご紹介いたします。

 

・実質あいうら

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カニだ!!カニだ!!

(沼津深海魚水族館。展示してたラブカが死んだらしく、何故か触れた。シーラカンスの展示が割と近くで見れる。でかい)

この後隣の回転すしで深海魚ネタをいっぱい食べた。ホウボウうまい。

沼津では深海魚が普通に食べられるぞい。

 

・実質伊東ライフ+頭文字D

 地元の軽自動車にめっちゃ煽られました。

 

夜7時頃に下田の温泉ホテル着。

 

・実質TARITARI

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ホテルで夕食。焼き物の具材、一番下の魚がでんでんというらしい。オオメハタ。

でんでんなので実質TARITARI と言ってたのはid:fmnakaです。

この前に前菜、お造り、サラダ。この後に金目鯛の塩炊きとその出汁で雑炊。

久々に「いいものを摂取した」気になりました。

 

・実質花咲くいろは

海沿いらしく、ちょっと潮の香りがする単純泉がオーシャンビューで入れる。

(写真ありません でも最高でした)

 

・実質TARITARI(2回目)

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部屋からの眺め。これが真のオーシャンビュー。海直結。

朝からサーファーが繰り出しており、実質沖田紗羽ちゃんの母親ということで能登麻美子さん案件。

ちなみに夜は最高に星がよく見えるため、皆であれがデネブアルタイルベガごっこをしてしまいました…(流れ星も見えた)

 

・実質紅の豚

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「竜宮窟」という洞穴海岸。

ポルコ・ロッソの隠れ家のように天井がない洞窟に潮が流れ込んでる場所。

めちゃくちゃ水がキレイで、足元の石をどかすとカニやらヤドカリがたくさん出てくる。ここかなりオススメです。

夏色キセキ最終話でもここが出てたのを知ったのは帰ってきてからだ。

 

・やっと夏色キセキ案件

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 完全に色褪せたポスターに心が折れる

 

・実質WHITE ALBUM2

 

朝食でここの干物が出されたんですが、とてもうまかった。

かなりの老舗。

 

・実質PAworks(n回目)

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このサイズはどう見てもあの鳥でしょ…

 

・実質ヤマノススメ(寝姿山)

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ロープウェイで来た

 

ロープウェイ乗り場でメンバーのサイン入りポスターが飾られているのだが、何故か豊崎だけサインがない。夏色キセキベスト盤発売を記念して書いていってほしい。

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あとこのポスターのユカめっちゃかわいくない?

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・実質新海誠(ていうか新海誠のイベントだから実質もなにもない)

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三島駅前にあるZ会本社ビルで、新海誠展が10月中ぐらいまで開催中だ!!

 

その後新海サイドのスタッフにRTされた発言

 

 

いやあ、素晴らしい展示でしたね。

そんなわけで伊豆半島ではさまざまな聖地巡礼ができました。

 

というのはネタにしても、温泉、食、海、景色など伊豆が昔からリゾート地として栄えてきた片鱗を身をもって体感してきました。

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ポスターは色褪せても、この最高の夏は決して色褪せることはないでしょう。

最近夏色キセキ好きすぎてEDの曲めっちゃ好きになってきた。


Natsuiro Kiseki ED HD 720p - YouTube

 

そんな夏色キセキはなんと10月からMX他で再放送が決まっているぞ!!

みんな要チェックだ!!

 

 

Non stop road/明日への帰り道(夏色盤)

Non stop road/明日への帰り道(夏色盤)

 

 

 そもそもこのバンドも大分ふざけて「夏色キセキの曲やろうぜwww」とかってノリで始まったのですが、フタを開けてみたらこんなに色濃い思い出になるとは思っても見ませんでした。

誘ってくれた豚ちゃんには感謝の念に堪えません。

 

皆さんにも最高の夏がいつか訪れますよう。

「ただの人」へと成るための物語 -『Free!』七瀬遙へ捧ぐ-

 

www.youtube.com

 

"すぐに飛べそうな気がした背中 夢から醒めない翼"(Ref.『遥か』スピッツ)

 

 

遙か

遙か

 

 

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七瀬遙さん

 

生来、君は神だった。

泳ぎたいから泳いでいるだけなのに、周囲がもてはやしてきた。

君の意志はそれだけだったのに、皆がその能力を崇めた。

そんなのは、君にはどうでもよかったみたいだが。

 

今まではそれでよかったみたいだ。

天才であることを、君はまだ許される年齢だったから。

「10で神童、15で天才、20歳過ぎればただの人……。ただの人まであと3年ちょっと……」(Ref.『Free!』第一話)

 

でも、時間だけがそれを許さなかった。

次第に「人になれ」と、誰でもなく、しかし何もかもが、確実に君たちに「それ」を強要していく。

 

「それ」を許容できる者もいるが、君はうまくできなかったようだ。

君はもともと天才だ。

本来人はまず人になって、それから一部の人が天才になるってもんだ。

君は皆が羨む能力をあらかじめ持っていて、どうやったらその能力を手に入れられるのかなんて、悩む必要もなかった。

あまりにも泳ぎがうまくて、もがき方を知らなかったなんて!

なんという皮肉!

 

それを自覚した時、君はどれだけ自分が嫌になったことだろうか。

残念ながら我々は生来の天才にあらず、心中察するのは想像でしかできない。

 

だからこそ、松岡凛が君には必要だったんだろう。

彼だけが、本来多くの人が通るである過程を踏んできて、最も君に近い存在になりつつあったから。

ただの人であり続け、遠い地でもがき続けた彼は天才へと限りなく近づいていた。

そんな彼が辿ってきた過程をオーストラリアで追体験して、君は「人になるのも悪くないな」って、そう思ったんじゃないだろうか。

だから改めて皆に感謝して、謝って、これからの自分と皆を見つめなおせたんだろう。

その結果、どうだった?

 

 

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やっと泣けたね。

やっと笑ったね。

 

ただの人になれて、迎える春はどんな色だったろう。

 

www.youtube.com

 

"人生はフリースタイル 孤独でも忍耐 笑いたがる人にはキスを

そしていつだって I say Yes,Yes,Yes

I'll be there"(Ref. 『I'll be』Mr.children)

ミスチルもスピッツも先に書かれたからもう好きな夏の曲書いていくだけにするけどやっぱどれも最高だわ…

それでもミスチルスピッツも入れます。

 

少年/Mr.children


Shounen 少年 - Mr.Children [歌詞付き/Eng Sub/LIVE ...

個人的Free!!の真琴→遙テーマ。

あと見方によっては大戦の追悼歌にも読めるよね、これ。

 

夏の魔物/スピッツ


小島麻由美/夏の魔物(SPITZ Cover) - YouTube

なんかカバーしか見つからなかったけど、この曲はこのカバーから知りました。

マサムネって割と「ドブ」とか「クズ」とか「ゴミ」とか使いますよね。

オリジナル音源はもうかなり古くて音量がショボいので、2003年のシングル集をオススメします。

 

若者のすべて/フジファブリック


フジファブリック 「若者のすべて」 Live at ryogoku kokugikan - YouTube

ゼロ年代以降、日本の季節に最も敏感なバンド(というか作曲家)だったと思う。

Bank Bandのカバーはちょっと僕は合わなかったかな…

 

 short hair/Base Ball Bear


Base Ball Bear - short hair - YouTube

 本 田 翼 

 


【じん】サマータイムレコード【MV】 - YouTube

カゲプロの影響でバンドを始めた僕にとって一番好きな曲です。

 

透明少女/NUMBER GIRL


Number Girl-透明少女(LIVE) - YouTube

様々な夏の始まりの曲。

 

青い栞/Galieo Galilei


あの花 OP 「青い栞」 - YouTube

彼らの曲って海と空が見える気がするので好きです

 

Everyman, everywhere/GRAPEVINE


RIJF2006-grapevine.everyman everywhere - YouTube

冒頭の『少年』同様、暑苦しさに溺れる楽曲。

 

夏の憂鬱~Time to say goodbye~/L'Arc~en~Ciel


1995 10 28 夏の憂鬱~Time to Say Goodbye~ - YouTube

アルバム版聞いた時なんか盛り上がらん曲だと思ったらシングル版と全然違ってズコーってなった人たくさんいそう。

 

白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター/the pillows


白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター the pillows - YouTube

淡々と伸びる国道を進む風景、北海道って感じある。

 

自転車/ザ・なつやすみバンド


ザ・なつやすみバンド「自転車」@東京の演奏2010 - YouTube

静かなエモ。

 

まだ掘り下げるといっぱいありますけど、このくらいで。

あと秋にはこの曲を聞きましょう

 

赤黄色の金木犀/フジファブリック

 


フジファブリック 「赤黄色の金木犀」 - YouTube

 

笑ってサヨナラ。

 

カゲロウプロジェクトについて本気出して考えてみたら今のティーンが羨ましくなった

@各位

メカクシティアクターズ』、超面白いです。

面白いというより、今後がすごく気になるって感じ。

 

Ref.1 音源発売前にフルで公開されたOP"daze"

 

 

daze / days(初回生産限定盤A)(DVD付)

daze / days(初回生産限定盤A)(DVD付)

 

 

ぶっちゃけアニメ始まる前にインターネットでいろいろ騒いでたじゃないですか。

その騒ぎの内容より、騒ぎ自体になんか冷めちゃってました。

アニメイトとかでグッズ大量に並んでてもあーはいはいって感じ。

でもシャフトだし阿澄佳奈だし時間もMXなら遅くないし見るか、って。

 

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FIG.1 青いニャル子さん

 

いやーとても興味深いです。

アニメ視聴の作り方とか視点が一気に新しくなる気がしてて、多分数年したら何かしらのスタンダードを残してくれるんじゃないかって思います。

 

 

■原作と脚本は遠ざかり、主従関係は変容する

メカクシティアクターズ』は飽くまでカゲロウプロジェクトのメディアミックスという立ち位置にあり、脚本はオリジナルだけど原案として既発の「楽曲」が存在するのが無視できません。

なので楽曲のストーリー力、歌詞ってより散文詩みたいなお話としての要素、ってのがすごい重要になっています。

 

メカクシティアクターズ』では既存曲1曲あたり1話分の原作という構成になっています。

 普通に考えて「1曲で30分アニメの原作」ってすごいですよね。だって数百字くらいの歌詞が原作のすべてなんですよ。PVとかあるにしても。

 

Ref.2 割とこれ好きです

 

だから「原作見ろよwww」みたいな、アニメ視聴者が原作にあたることでストーリーを補完するという行為が『メカクシティアクターズ』の場合なかなか難しい。

原作っぽいものがあるんだけどオリジナルって面白くないですか。

 

■音楽の物語性がひとつの到達点に達した

コンテンツってあまりいい言葉じゃないですが、「コンテンツを売るのは物語性」という時流になって久しいです。

アイドルのウリがCDとステージではなく、そこに到達するまでのドキュメンタリーが本質になったように、過程によって肉付けされて初めてコンテンツが見向きされるようになりました。

その好例がアイマスとかラブライブ!なんだけど、ここでそれ書くと話それすぎるのでまた別の機会に。

 

もともと映像作品に於ける音楽(主題歌)って、物語性を受ける側であることがほとんどでした。

ミスチルとかB’zとか、あとビーイング系もそうだけどゼロ年代くらいまでってドラマとかのタイアップで「あー○○の曲ね」ってみんな言ってたじゃないですか。

アラサーくらいの人に『LOVE PHANTOM』の話したら絶対X-FILEの話になるでしょ。


B'z / LOVE PHANTOM - YouTube

 

つまり1クール12時間のドラマをダイジェストしてくれる存在として、数分の主題歌がありました。

社会的な嗜好が変わってきたのもありますけど、ここ数年でそういう楽曲ってめっちゃ減ったと思います。斉藤和義の『やさしくなりたい』とかそんなもんじゃないですかね。あとあまちゃんとか。

 

その一方でインターネットではブラック★ロックシューターのメディアミックスとか種々のボカロ小説とか、いままで物語を受動する存在だった「楽曲」がむしろ主体となりコンテンツの核となってきました。

それらの積み重ねの到達点として『メカクシティアクターズ』あるのでは、と強く感じるわけです。

 

前述したブラック★ロックシューターのアニメも見てましたけど、楽曲とのリンクはそこまで強くないですし、楽曲自身の持つ物語性が毎話のストーリーに強く連動している意味で『メカクシティアクターズ』は稀有な存在と言える気がします。

 

楽曲が中心となったコンテンツ生産はニコ動で誰かが曲作って、誰かがPVを作ってという二次生産が源流だと思うんですけど、もっと遡ればBUMP OF CHICKENのラフメイカーのフラッシュアニメあたりが本当の元ネタだと思います。

それとバンドものの歌詞がすごい具体的にお話調になってきたのってBUMP OF CHICKENもそうですし、RADWIMPSとか、そういう人たちの影響も大きいのではと感じます。


ラフメイカー - YouTube

(フラッシュなのに動画でみる違和感)

 

■サウンドの文脈

カゲロウプロジェクトの楽曲に感じる特徴としてこんな物が挙げられます。

・シングルコイル系のギターでカッティング多用

ゼロ年代以降の邦楽ロック、言うなければロキノン系スケールの展開

・適宜に使用されるキメ

・BPM200近いめちゃ早楽曲

 

上記の特徴は昨今のバンドサウンドからもかなり類似性が見受けられます。

ぱっと見、全部当てはまるのは凛として時雨とかでしょうか。


凛として時雨『Telecastic fake show』 - YouTube

 

BPMがとにかく上がりまくってるのが昨今のバンド事情らしく、KANA-BOONとかがその代表らしいです。とにかくティーンのうちでは早いのが流行りらしい。


KANA-BOON / ないものねだり - YouTube

 

ボカロの面からテンポを考えるなら、ボカロ自体早口の方が違和感なく聞こえるので必然的にBPMあがってきたんだと思います。その分岐点はやはりwowakaさんの楽曲ではないでしょうか。

 

でそうなってくるとやはりスパルタローカルズとかの影響も見過ごせないわけですし、結局のところNUMBER GIRLくらいまで遡ることになります。

 


Number Girl-透明少女(LIVE) - YouTube

 

NUMBER GIRL、今のニコ動ドップリの中高生でも多分はまる人多いんじゃないかなって思うんですが、どうなんですね。意見が聞きたいです。

NUMBER GIRLとカゲロウプロジェクトの「夏」は決して別物ではないと思うのです。

 

余談ですがNUMBER GIRLはリマスター版が発売されて、各メディアでそのフォロワーによって当時の思い出などが語られています。

 

Base Ball Bear小出祐介が語る NUMBER GIRLと『青春』

 http://miyearnzzlabo.com/archives/18771

 

ぶっちゃけリアルタイムでNUMBER GIRLに傾倒してた人間がリア充ってことまずないはずです。

暴論ですけどNUMBER GIRL―非リアバンドマンって構図がいろいろ巡った結果、カゲロウプロジェクト―インターネット大好きティーン に落ち着いたのかなと思います。インターネットで盛り上がってるメディアミックスに傾倒する人が学校でウェイウェイやってるとも考えにくいですし。

 

タイトルに戻りますが、僕が羨ましいのはこの点です。

NUMBER GIRLが現役の頃ってインターネットを通した交流ってまだ盛んじゃなかったし、多分同じNUMBER GIRL好き同士を探すのって現実ではかなり難しかったんじゃないかなって思います。

でライブハウス行くと「こいつらみんなNUMBER GIRL聞きに来てるのか…ほう…」って謎の高揚感はあるんだけど非リアだから声かけられなくて、他人と仲間のギリギリの関係の中で、最高に盛り上がる環境だったのではと推測します。

 

カゲロウプロジェクトのファンがとてもいいなと思うのが、インターネット諸々のおかげで「カゲプロ好きなんですか!僕もです!」ってのが気軽にできるようになった点。しかも楽曲自体はインターネットで無料で視聴(しかもPVつき)できるんだから、これほど恵まれたことないですよね。

作品自体も、共感できる仲間もぐっと近くなったのはとても良いことだと思います。

インターネットすごい!! 

 

■まとめ

そんなわけでここ数ヶ月でカゲプロにとても影響を受けた私ですが、同じくカゲプロに影響を受けたとろろ蕎麦さん@tororosoba id:fmnaka らとバンドを組むことになりました。

詳しい告知はまだですがイベントは9/6のようです。

最高の夏が待ち遠しいです。

【MX基準速報】矢澤にこはついに「ひとり」を卒業し、いつか「みんな」も卒業していく。

※この記事は嗚咽と痙攣と慟哭を抑えながらタイプされたラブライブ2期第4話「宇宙No.1アイドル」最速ネタバレ記事であり、インターネット上に記載されたテキストデータでありなから可及的に整合性を排除した情動的な文章です。

 

 

 

 

矢澤にこは、ずっとひとりだった。

 

「年の離れた姉」としての矢澤にこはひとりだった。

「宇宙No.1アイドル」の矢澤にこは、妹たちのためにひとりでありつづけた。

一方で矢澤にこは「アイドルファン」であり続け、ひとりの自分を救ってきた。

だから「アイドル研究部」の矢澤にこはひとりになってしまった。

 

自分のためのアイドルなのか、妹たちのためのアイドルなのか、わからなくなってしまった。

 

 

矢澤にこはずっとひとりだった。

 

けれどμ'sでの矢澤にこは、「みんな」の中にいた。

少なくとも、学校での矢澤にこは救われたのだ。

 

それでも矢澤にこはひとりだった。

妹や弟たちのためにNo.1=ひとり でなければならなかった。

 

自分がμ'sのNo.1でないことなんて、矢澤が一番わかっている。

妹や弟のためとはいえ、あんな雑コラを作ることにどれだけ心を痛めたことだろう。

自分を救ってくれたμ'sを、自分の家では歪めなければならなかった。

やっと手に入れた「みんな」を、矢澤にこは自分で汚してしまったのだ。

 

だから矢澤は私生活をこれまでひた隠しにしてきた。

学校での矢澤にこと、宇宙No.1アイドルの矢澤にこは完全に別人でなければならなかったから。

 

それが偶然にも白日に晒され、矢澤は腹をくくったことだろう。

メンバーからの非難を甘んじて享受せねばならず、ひどい話、μ'sから脱退だってありえる。

 

「ああ、また私は同じようなことを」

「やっぱり私には無理なんだ」

 

でもそれは違った。

μ'sは宇宙No.1アイドルの、「ひとり」の矢澤にこを認めた。

虚像だった宇宙No.1アイドルは、妹たちのために実像を手に入れた。

 

かくして、矢澤にこはついに「ひとり」から卒業した。

亡霊のようだった自分を、卒業した。

三年生の後半にして、矢澤にこはやっと自分の求めていた場所を手に入れた。

今、矢澤にこはきっと心地よいソファにもたれかかるような安堵を得ているはずだ。

 

【それは、僕たちの奇跡】

 

そして半年後、矢澤にこは卒業する。

「みんな」のいる学校を、μ'sを、一緒に卒業してしまう。

 

その後の矢澤にこはまた「ひとり」に戻ってしまうのだろうか。

 

【次は絶対ゆずれないよ 残された時間を握りしめて】

 

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ああ、矢澤にこはきっと、こういう気持ちで、今までスクールアイドルを応援してきたんだな。

第一回 この不憫女子がすごい!2014冬

矢澤にこ貧乏説を提唱し始めてはや一年。

このブログもこのネタだけで毎日300PV程度を稼ぎ続け、なんということでしょう、google検索において「矢澤にこ 貧乏」が普通にサジェストされる世界になってしまいました。

 

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FIG.1 矢澤にこの現状を示す事例

 

もちろん「矢澤にこ 貧乏」でトップに出るのは当ブログです。

 

さらに矢澤のschool idol diaryにも貧乏を仄めかす記述があるらしく、矢澤にこ貧乏説はかなり市民権を得たといえるでしょう。

 

ラブライブ! School idol diary ~矢澤にこ~

ラブライブ! School idol diary ~矢澤にこ~

 

 

 

そんなラブライブ!も今月から2期スタートということで、さらに矢澤にこ貧乏説を裏付けるべく毎週の視聴に注力していきたいと思います。

 

…私がしたかったのはそういうことではない!!!

 

いい加減矢澤以外のネタも取り上げたいなと思い、毎クールごとに記述していく「この不憫女子がすごい!」シリーズを立ち上げてみました。

毎日とか毎週ブログ書くのはとてもじゃないけどできないタチなので、それだったら3ヶ月に1回くらいなら書けるだろう、と。

 

「この不憫女子がすごい!」シリーズは下記のように記述してみたいと思っています。

 

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120秒であの”距離(distance)”を超える、たったひとつの冴えたやりかた-Z会『クロスロード』によせて-

ついに公開されましたね。

Z会 「クロスロード」 120秒Ver.:

 http://youtu.be/AfbNS_GKhPw

 

 

もう一度貼ります。

 

Z会 「クロスロード」 120秒Ver.:

 http://youtu.be/AfbNS_GKhPw

 ああ~もう~…。

 

新海作品における「距離」の概念が、こんな形で世に出るとは!!という感じです。

それと同時に、この作品に至るまでのさまざまな要素(cultural memeとも言うべきアニメ作品の文脈)が、セカイ系で20代前半をこじらせた人間の古傷をひどく刺激します。

ちなみに僕の高校は速単派でした。10年ぶりにZ会にこういう形でお世話になるとは思ってもみませんでしたね!!

 

ただいま室温22℃ですが、人生を揺さぶられた結果かなり背中に汗かいてきてます。

かなり殴り書きになりますがもう!!それしか!!できない!!

うおおーっ!!

 

まず本作のメインクリエイターを総ざらいします。(一部敬称略)

 

■監督:新海誠

 『ほしのこえ』以来、いわゆるセカイ系作品を牽引してきた方ですが、それ以上にとにかく「距離」について真摯に向き合ってきた方です。

パッケージ化されている『ほしのこえ』から『言の葉の庭』まで五作、うち二作のサブタイトルにはdistance/distantという単語が用いられています。

その他にもdeep belowであったり、雲の向こうだったり、星を追ってみたり。

 

各作品において描かれる「距離」は物理的、時間的、次元的、世代的、社会的立場だったりさまざまです。どれも「キミと僕(ワタシ)の距離」がどう縮まるか/広がるかに注目すると、ぐっと視聴する楽しみが増します。

 

本作『クロスロード』も例外ではありません。

今回も「距離」について後述します。

 

作画監督田中将賀

ベテランのアニメイターさんですが、同じ作画監督として担当された作品を列記します。

 

あの夏で待ってる

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない

とらドラ!

(学園黙示録HIGHSCHOOL OF THE DEADとかも担当されていますが、そこまで話が広げられませんすみません)

 

すごくベタな言い方ですが、いわゆる「泣けるアニメ」の画面を作られてきた方です。

本作『クロスロード』のキャラクターデザインの向こうに『あの花』を感じるのは容易です。赤フレームのメガネといったらつるこですね。(某京アニの不愉快です!の人の方がもっと似てるとかそういうことは置いておく)

 

田中さんの作画によって、わかりやすいキャッチーさがアレンジされます。かなり強制的に「あ、これきっと『良い』映像なんだ」という印象づけです。

 

OVAで4、50分で描かれる新海作品が今回120秒で完結できるのは、田中さんが築いてこられたこの「泣けるアニメミーム」がふんだんに盛りこまれているためではないでしょうか。

じっくり見せた上で悲劇的な展開の多かった新海作品において、CMの大原則である「わかりやすさ」を担っています。

 

■歌:やなぎなぎ

前述した田中さんの作画監督作品でも『あの夏で待ってる』のED、同じJC Staff制作の『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(以下俺ガイル)』のOPを担当しています。

偶然だと思いますが、『俺ガイル』と『クロスロード』はロゴカラーがほぼ一緒です。

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これにより田中さんの「泣けるアニメミーム」とはまた別のミームがここで引き上げられてきます。

『あの夏』、『俺ガイル』さらに遡れば『化物語』といった高校生が主役である学園アニメの数々。

言い方が難しいですが、「ティーンの代弁者」とでも言いましょうか。

学習塾のCMにおいて、これだけの適役はいません。

 

■まとめ

これまでの要素をまとめると本作は

 

新海作品の感動の肝である「距離」を、田中作監による「キャッチーさ」でアレンジし、やなぎなぎが「ティーンを代弁」することによって学習塾のターゲットである受験生狙い撃ち。

 

というなんかもう完璧すぎる布陣なんですよ。

いやーこりゃやばい。言うたら「なんかすごくいい進研ゼミのマンガ」みたいなもんですよ。こりゃーみんなZ会入っちゃいますね。schoolgirl distortional addictみたいなもんですよ。(伝われ)

 

しかし、ここまで一貫して受験生(しかも全国)のために作られるとこうですね、高校卒業してン年経ってる人が視聴すると発狂するんですよ。

 

あの当時の距離は、今の高校生は埋めることができるんだってことに。

その可能性があまりにも遠くに、輝かしく見えます。

これも『距離』ですね。アラサーに入りつつある人間が持てる、埋めがたい『距離』です。

しかしそれは本質ではありません。

 

本作は「塾がない、時間がない。そんな合格への遠い『距離』を飛び越えさせてくれる通信教育」という、受験生にとってとてもポジティブなメッセージを詰め込んだ、最高の120秒です。

 

現在進行形、あるいはこれからの受験生の皆さんにご多幸があることを願っております。

 

ちなみに僕は海帆同様、通う塾もない田舎の高校生でしたが、残念ながら通信教育というものがあるということすら考えませんでした。緑パックは正月にやったような記憶があります。

でも国公立なら私立みたいに学校別対策しなくていいぞ!

私立も私立でセンターいらないけどな!

 

あと本当どうでもいいんですが、海帆役の佐倉綾音さんが花澤香菜さんの大ファンらしいので、『言の葉の庭』に続いて新海作品出られたことで今頃むせび泣いているのではないかと懸念しています(本当にどうでもいい)

いやでも、本当佐倉さんすごく最近いいですね。夢喰いメリーからずっと気にしてました。

 

以下スクリーンショットを交えながら、映像とセリフを観点として簡単な解説を置いておきます。

ぶっちゃけここからが本番なのですが、長いしキャプが多いので折りたたんでいます。

でもさっと読めると思いますので、是非どうぞ。

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