1k≒innocence

散文だったり、アニメ分析だったり。日常が切り取られていく姿は夏のよう。

笑ゥせぇるすまんでバブル末期の日本を感じてみる

 

笑ゥせぇるすまんNEWが放送中ですが、Amazonプライムビデオほかで初代笑ゥせぇるすまん(89-93年版)が配信されています。

放送当時、すごい怖くてすごい好きでした。

いや今見ても怖いけど。

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当時3才とかだったので、喪黒福造が迫りくるOPが本気でこわかったんですけど、それでも毎回ガン泣きしながら何故か観てました。
あれから幾星霜、作中の登場人物のように都心の電車に毎日乗って労働しているようになるとは、幼児の時分には露にも思いませんでした。

それにしても働くようになってから見てる本作は味わいが違います。
何より現代との労働感の違いを端々に感じ、ああバブルとはこういうものだったのかと驚きを禁じ得ないわけです。

こんな風に…


「仕事が無いならさっさと帰り給えよ。…全く、無駄な残業手当が増えて困っとるんだから」(ともだち屋)

定時後にぐずぐずしているサラリーマンに対しての上司のセリフ。

なんてすばらしい上司でしょう。

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ちなみにこの会社、定時5時でこの帰宅ぶりです。

パソコンが1台もないのもまた時代を感じます。

 

お次です。

「毎日空手の特訓をしてください」という喪黒に対して。

 

 

「残業だって週に2日はあるし…」(空手道)f:id:sakasakaykhm:20170610212203p:plain

 

週2日だそうです、残業。そしてこの会社も定時5時です。

つまり週3回はこの人5時で退社してます。

今日び中学生でも下校してるか怪しい時間です。

ちなみにこの回には若かりし頃の大塚明夫がオカマのチンピラ役で出演しているので是非チェックしてください。

 

 続きます。

「あのねえ、勤務時間終わったらさっさと帰ってくださいよ」(家の灯)

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警備員にすら退勤時間を注意される時代のようです。

 

そして就職観もだいぶ異なるようです。
「僕は東大を出て大蔵省に入り、銀行に天下ってやがては頭取になるのが夢なんです!」(キッス占い)

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素直すぎて意識高い系より好感が持てます。


極めつけがこのセリフです。
リゾート販売の契約がとれないサラリーマンに対して

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「今は金余りの時代なんだぞ!」(ナマケモノ)

 

めっちゃ言ってみてえ…金余ってるって言ってみてえよ…


あとは合コンが海外リゾート旅行だったり、やたらゴルフと麻雀ネタが多いのも時代を感じます。

 

現在放送中のNEWでは過去作品のリメイク回もあるのですが、こうして見ると今の時代にはミスマッチになってしまったストーリーも多いのですが、それでも現代に通じるテーマは健在のように感じます。

 

最後にステキ喪黒福造ショットでお別れです。

 

 

 

 

 

 

笑ゥせぇるすまん (1) (中公文庫―コミック版)

笑ゥせぇるすまん (1) (中公文庫―コミック版)