1k≒innocence

散文だったり、アニメ分析だったり。日常が切り取られていく姿は夏のよう。

恋したいならBL知らない男でも『同級生』を観よう

先日『同級生』を鑑賞してきました。

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去年たくさんアニメ映画を見に行ったのですが、その度に『同級生』のCMが流れるんですよね。
ガルパン見に行って九分九厘野郎で埋まる劇場に「だって俺 お前のこと好きになっちゃったみたいなかんじなんだもん!」と響き渡る神谷浩史の声はなかなかに強烈でした。
そうやってCM見てるうちに関心が出てきたので見に行きました。
 
今までの人生で積極的に摂取したBL作品は『海辺のエトランゼ』だけだったのですが、ほぼまっさら気持ちでこの作品にふれられたのはある種の天啓でした。
 
本作はつとめて「恋愛作品」であり、むしろBLであることそのものはさほど主題に語られません。
バンドマンらしい風貌で女子のファンも多い草壁光と、人生の転記を逸してきてしまった天才、佐条利人の純愛物語でした。
 
で、いちいちこのふたりがかわいいんですよ。
 
「俺のことどー思ってんの?」とか、
「あ、やべ、ちゅーしたい」とか、
「人がいるからダメだ」「いなかったらいいの?」とか、
知らない女の子と仲良くしてるの見て勝手に絶望して着信拒否したりとか。
「別に男同士じゃなかったとしても、高校生ってこんな感じの恋愛だよな!!ウンウン!!」と頷いてしまうわけです。
 
どうしたらいいかわかんないけど、相手のことを思ってつい足が向いてしまう。
相手が手を差し伸べてくれるのを期待してしまう。
 
これを恋と言わずしてなんと言いましょうか。
 
そんな「ふたりの人間が恋すると、こうなるよね」という自然すぎる事実が澱みなく流れるように、そしてとても鮮やかに描かれている作品です。
 
終劇すると「お前ら~~~~頼むから幸せになってくれ~~~と声に出ます。
ただそれくらいふたりの想いが純真すぎるので、若干疲れた人生観を持ちあわせたアラサーにはかなりの劇薬でもありました。(しばらく言語がうまく構成できなくなるくらい強かった)
 
なので今めっちゃ恋したい感情に満たされてます。
 
それくらい世界がきれいに見えるようになるので、なんか最近自分の人生くすんでるな…という人はぜひ『同級生』を見て鮮やかな命を吹きこまれにいきましょう。
 
もう春ですからね。
 
 
・その他
 
・作画に本田雄錦織敦史、監督中村章子、キャラデザ林明美ガイナックスがルーツの面々がたくさん参加。日常風景を鋭く切り取るレイアウトやコミカルな崩し方にその端緒を見ることができます。
ヱヴァ新作の制作は全く進んでいないという証左ともとれます。
 
・主題歌が押尾コータロー with Yuuki Ozaki (from Galileo Galilei)ですが、編曲がGalileo Galileiなので実質Galileo Galilei with 押尾コータローになっています。
ファンは絶対聴いてください。

 

同級生

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