1k≒innocence

散文だったり、アニメ分析だったり。日常が切り取られていく姿は夏のよう。

【MX基準速報】矢澤にこはついに「ひとり」を卒業し、いつか「みんな」も卒業していく。

※この記事は嗚咽と痙攣と慟哭を抑えながらタイプされたラブライブ2期第4話「宇宙No.1アイドル」最速ネタバレ記事であり、インターネット上に記載されたテキストデータでありなから可及的に整合性を排除した情動的な文章です。

 

 

 

 

矢澤にこは、ずっとひとりだった。

 

「年の離れた姉」としての矢澤にこはひとりだった。

「宇宙No.1アイドル」の矢澤にこは、妹たちのためにひとりでありつづけた。

一方で矢澤にこは「アイドルファン」であり続け、ひとりの自分を救ってきた。

だから「アイドル研究部」の矢澤にこはひとりになってしまった。

 

自分のためのアイドルなのか、妹たちのためのアイドルなのか、わからなくなってしまった。

 

 

矢澤にこはずっとひとりだった。

 

けれどμ'sでの矢澤にこは、「みんな」の中にいた。

少なくとも、学校での矢澤にこは救われたのだ。

 

それでも矢澤にこはひとりだった。

妹や弟たちのためにNo.1=ひとり でなければならなかった。

 

自分がμ'sのNo.1でないことなんて、矢澤が一番わかっている。

妹や弟のためとはいえ、あんな雑コラを作ることにどれだけ心を痛めたことだろう。

自分を救ってくれたμ'sを、自分の家では歪めなければならなかった。

やっと手に入れた「みんな」を、矢澤にこは自分で汚してしまったのだ。

 

だから矢澤は私生活をこれまでひた隠しにしてきた。

学校での矢澤にこと、宇宙No.1アイドルの矢澤にこは完全に別人でなければならなかったから。

 

それが偶然にも白日に晒され、矢澤は腹をくくったことだろう。

メンバーからの非難を甘んじて享受せねばならず、ひどい話、μ'sから脱退だってありえる。

 

「ああ、また私は同じようなことを」

「やっぱり私には無理なんだ」

 

でもそれは違った。

μ'sは宇宙No.1アイドルの、「ひとり」の矢澤にこを認めた。

虚像だった宇宙No.1アイドルは、妹たちのために実像を手に入れた。

 

かくして、矢澤にこはついに「ひとり」から卒業した。

亡霊のようだった自分を、卒業した。

三年生の後半にして、矢澤にこはやっと自分の求めていた場所を手に入れた。

今、矢澤にこはきっと心地よいソファにもたれかかるような安堵を得ているはずだ。

 

【それは、僕たちの奇跡】

 

そして半年後、矢澤にこは卒業する。

「みんな」のいる学校を、μ'sを、一緒に卒業してしまう。

 

その後の矢澤にこはまた「ひとり」に戻ってしまうのだろうか。

 

【次は絶対ゆずれないよ 残された時間を握りしめて】

 

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ああ、矢澤にこはきっと、こういう気持ちで、今までスクールアイドルを応援してきたんだな。