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1k≒innocence

散文だったり、アニメ分析だったり。日常が切り取られていく姿は夏のよう。

レールガンの擬似的四人組

アニメ

久々です。
個人的にずっと記事を読ませていただいているはてなユーザーの方にこのブログをお気に入りに入れていただき、励みましたのでこうして記事を書いています。


特にオチはなく終わります。
問題提起とそこに対する現時点でのアプローチだけ少し書くことになります。
何か思うところが他の方にも生まれればこれ幸いでございます。


厨二病とさんざん言われ続けたものの、一方通行さんのツンデレや上条さんの超名言、「〜と、御坂は〜」といったクセになるセリフを生みだし人気となった「とある魔術の禁書目録(以下インデックス)」。そのスピンオフとして今期放送中の「とある科学の超電磁砲(以下レールガン)」が今回のネタです。

インデックスは放映開始当時あまり評判が芳しくなかったので、個人的に今期のレールガン人気はちょっと意外でした。
とはいえ前述した上条さんはじめ、クセのあるキャラやセリフが後半人気を押し上げただろう、というのはインデックス見てた人同士では共通見解ではないでしょうか。
余談ですが、二期OPに初春と佐天さんが出てるのには最近気づきました。
そんな中、一話〜数話エンドで比較的ギャグやコメディ要素の強いレールガンが開始したわけですが。
レールガンの設定である

・メインキャラが女の子四人
・一話終了のコメディ作品
・学園モノ

といった設定はこれまでに様々な作品で取り上げられてきました。
ざっと直近の作品で思いつくところではらき☆すたけいおん!、ひだまりスケッチ苺ましまろといったところでしょうか。


個人的な印象論ですが、このように似た設定を持ち合わせた作品であるレールガンではあるものの、けいおん!等はさまざまな部分で差違を感じています。
前述した作品群は同系統の作品と言われればある程度納得がいきますが、ここにレールガンを入れるのはちょっと違う気がするのです。
この差違は何か、というのが今回の問題です。



■キャラクターの面から
シュール要素はあまり強くないので上記の作品群を空気系と呼ぶのは(苺ましまろを除き)少し無理がありますが、便宜上「日常空気系」と呼びたいと思います。
以前のエントリーにも少し書きましたが、四人のキャラクターには役割が当てられている事が多いです。

【主人公】…おとなしかったり、天然だったり。グループの中心ではあるが物語の進行役であることは少ない。ハイスペックの場合が多い。主人公というより、作品の象徴的存在?
→唯、ゆのっち、こなた、チカなど
【物語の進行、主人公のカウンター役、相方】…物語を発起したり進行したりする。また主人公の行動へのカウンター、つっこみ役。何故かB型が多い。
→律、宮子、かがみ、美羽など(ここまで全員B型
【おっとり、ドジ、いじられ】…何かしら実験台になったり足をひっぱる。萌えの担当になることも多い。コンプレックスの設定がある場合もある
→澪、ヒロ(沙英?、かがみ(つかさ?、まつりちゃん
【異端者】…お金持ち、外国人などの異端なステータスを持ち合わせる。おっとりと腹黒を持ち合わせる場合が多い。
→紬、ヒロ(沙英?、みゆき(つかさ?、アナちゃん

完全にカテゴライズするのは難しいですが、この様なイメージの上にこの手の作品が成り立っているのはイメージがつくと思います。

ではこのカテゴライズにレールガンのキャラはあてはまるでしょうか。

主人公…美琴
カウンター、相方…黒子
おっとりいじられ…初春(パンツ
異端者…佐天(能力がないという点で

一応こうなります。
しかし個人的にはどうもこれではしっくりこないのです。

初春をいじるのは佐天だけだし、能力がないことが異端であるとした場合、能力がないことが他のキャラに働きかける効果が現時点で見えません。
お金持ちのステータスは別荘や車といった特殊な設定をキャラ全員に与えたりするために必要であったりしますので。
またいじられ、という点では美琴はむしろ澪のような存在感を発揮している面もありますし、黒子が物語の進行役として自発的に動く面もあまり見られません。
もう少しこの辺りを整理していきたいと思います。


■擬似的四人組
日常空気系作品群とレールガン、最大のキャラ設定の違いはジャッジメント/能力者/学校の多層構造の有無ではないでしょうか。
前述の作品群では同じ学校の/同じ部活あるいは同じ学科/同じような生活圏で過ごしている、いわゆるクラスメイト的関係にあります。

しかしレールガンでは違う学校で/ジャッジメントであるかどうか/能力者であるかどうか というちくはぐな背景を持つキャラが四人組になっています。

・出身学校…美琴・黒子、初春・佐天
・ジャッジメント…黒子・初春、美琴・佐天
・能力の有無…美琴・黒子・初春、佐天

このように複雑にグループ化できます。
つまり仲良し四人組、とはいえけいおん!等の先行作品に比べその連帯感はかなり薄いのです。
しかし一方で物語的にはこの複雑性が効果的に表れてきます。

・能力がありながらジャッジメントでないがために疎外される美琴(六話など
・能力がないために疎外される佐天(七話など

このように設定(キャラクターの背景)の差違によって物語が生まれるという点はけいおん!等ではあまり見られない特徴です。
例えばけいおん!の物語は各自のコンプレックス的な願望の消費が物語の中心になっていますが、楽器が出来る/出来ないといった能力の差違は完全に無視されています。


■キャラクターの性格による関係性の構築
とはいえ、レールガンにおいてキャラクターの性格が物語構成の要素となり得ていないわけではありません。

背景の面で言えば、能力がありジャッジメントである黒子が最強になってしまいます。
しかし黒子が先輩である美琴を尊敬していること、また黒子の美琴いじりが美琴によって制覇されることにより、美琴は黒子を制圧し、主人公たり得ます。
もちろんここぞと言うときの能力により、美琴はレールガンにおける水戸黄門としての役割も持ち合わせます。

一方能力もなくジャッジメントでもない佐天は最弱になります。
しかしスカートめくりを代表として初春を制圧することにより、能力等では劣る佐天が初春を制圧します。
これにより一概に佐天が最弱とはなり得ません。

美琴にしろ佐天にしろ、この性格的な関係が一話、二話という早い段階で現れている点も重要である気がします。
キャラの関係ができあがっていく後半では物語を壊しかねませんので。

またこれも印象論ですが佐天さんの人気は他の異端者に比べて安定している印象です。アナちゃんのような高い人気でも、みゆきのような不人気でもないイメージ。


■物語の進行役の不在
主人公のカウンター役が(=黒子)が物語の進行役というのも少し怪しいところです。
指摘したこのカウンター役の特徴は何といってもその突拍子のなさです。

律「バンドやろうょぉ〜」
宮子「私味噌汁食べるー」
美羽「まあこれでも食って元気だしな(チカのケーキをチカに見せびらかしながら」

プロップの物語の形態学で言えば主人公の敵対者とも捉えられないような突拍子のなさ(ある意味では異端者?)によって物語の秩序が崩壊し、そこから物語が発展する場合が多々あります。
しかし黒子にこの突拍子さは薄いでしょう。美琴に対する異常なアピール以外はとてもまともな人間です。

それでは黒子はどのように物語を持ち込むか。
と考えた時にジャッジメントであるということが効果を発揮します。

ジャッジメントは悪者の退治する機関です。悪者は当然敵対者であり、異端者です。物語を乱す存在です。
よってそこに接触できる黒子は擬似的に敵対者的な効果を発揮することができます。敵対者を主人公に認知させる贈与者と捉えることも出来るでしょう。
もちろん同じジャッジメントである初春にもこの効果があるでしょう。しかし外を出歩く黒子の方が異端者の認知のチャンスが多いのは自明です。

日常空気系の作品がそのキャラクターらのいる空間で物語が収束するクローズト的性格であるに比べ、レールガンはキャラクターの外から異端者の入り込む点でオープン性を認めることができます。
またスピンオフ作品であることから、インデックスでのキャラクターが入り込むことも容易です。


■まとめ(?)
まとめというほどでもないのですが、
・レールガンの四人の複雑な関係
・四人の多機能性
・オープンな物語展開

この三つがけいおん!等の先行作品との大きな違いではないでしょうか。
ラノベ原作と四コマ原作比べても仕方ないといえば仕方ないのですが、同じアニメというプラットフォームに限定した話です。

乱文甚だしいですが、何か暇つぶしになれば幸いです。

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