「青い子は不憫」でいい。それでも彼女は生きていて僕たちは生かされている。
世の中「好きなタイプは好きになった人です」と言う人も多いし、
ダーリン・イン・ザ・フランキスが放映されている。
本キャラについては錦織監督もこう述べている。
――イチゴは、とても演技しがいのあるキャラクターに見えますが。錦織:イチゴは僕の趣味が詰まったようなキャラクターなので(笑)
キャラクターに試練を与え、
いや、ある意味では報われない結末が待っていると思う。
残念ながら彼女はライバルの鬼の子に対して、あまりにも凡人過ぎる。
君が好きだってこと以外は この際どうでもいい藍色になった君が好きなんだ君が好きだってこと以外は もう何も考えないことにしよう藍色になって迎えに行くよ藍色好きさ/ indigo la End
俺たちはずっとヤマカンに踊らされてきたし、これからも踊らされたいんだ
俺たちはいつだってヤマカンに踊らされてきた。ギョーカイがど
けれどそんな事より、そもそも俺たちはハルヒとらき☆すたで十分
ハレ晴レユカイも、もってけ!セーラーふくも、
ヤマカンはいつだってオタ
ニコニコ動画で「踊ってみた」タグを古い順に遡ると、
時流や作品の人気の後押しした結果だと思うが、どうして踊ってみ
それもこれもヤマカンの傑出した演出が寄与している。
踊ってみた大規模オフに参加したティーンや大学生も既にいいアラ
これはまさに作中の高校生、砕いて言うならアマチュアが撮影した
ラブライブ!もアイドルマスターも、サビではとにかく大仰な程に
けれどヤマカンはそうしなかった。朝比奈ミクルの冒険がそうであ
だからカメラ視点は固定されている。
その結果としてアマチュアの人間が「踊ってみた」動画を撮ると、
少し広い部屋にカメラ
つまりハレ晴レユカイの踊ってみた動画撮影は、
らき☆すた含め他のヤマカン作品でもこうした凝ったカメラワークは枚挙に暇
アマチュア時代の作品「怨念戦隊ルサンチマン」は、
画面奥から戦いながら出てくる青のヒーローを遮るように、黄色のヒーロー
他のカットでも何を映したいのか明確な意思が見て取れるから、
こうした画面作りは前述したハルヒなどで活かされ、結果としてアニメでキャ
そして「キャラクターを踊らせること」の才覚によって、ヤマカンがアイ
Wake Up,Girls!を話題に挙げる上でキーとなるポイントは「キ
W
そしてこの3つを繋ぐのもまたヤマカンのカメラワ
勾当台公園と光のページェント、どっちも仙台市民はおろか東北在住の人間なら他県でもある程度認知されている場所だ。
キャラクターを敢えて置かず、第1話の冒頭にこのシーンが入る理由は察するにあまりある。
ここも何気ないカットだが、本当だったらもっとキャラクターに寄せたカットでもよい。わざわざアニメにしては遠景にすることで、年末年始の寒々しい仙台の様子を背景を含め、画面全体で印象づけている。
そして今はなくなってしまったが、長年仙台駅前を盛り上げてきた大型ビジョンでI-1 Clubの広告を流し、それに注目する市民を描写し、キャラクターに画面を戻す。
このようにヤマカンのWUGは「ちゃんと彼女たちが仙台にいる」ことを実感させ
他方、あまり細かい点を挙げて不満を述べても生産的ではないのだが、そうしたヤマカンの丁寧な仙台の描写に対比して、新章でど
新章1話、行きの新幹線のシークエンス。
まず仙台駅の描写だが、ヤマカンが駅前のペデストリアンデッキを
仙台駅、特にペデストリアンデッキ側に出たことのある人ならわか
こんな感じに。
もちろんこの画面もヤマカンWUGによるものだ。
次に新幹線のホーム。
仙台駅に長時間停車しているようなので仙台駅始発のやまびこと思
自由席狙いで運賃節約なのだろうか。
車中でも首を傾げたくなる描写がある。下でキャプチャしたシーンの背景にコ
ここだけ鈍行電車並のスピードで流れていくので、その真相はぜひ君の目で確かめてほしい。
あとみなみ食べ過ぎ。
そして下のレイアウトも、3×2のボックス席のスペースに1人座って5人立っているというのは流石に無理があるように感じる。
ななみんとかやたん席の上で立ち膝なのでは。
これらの感想もヤマカンの画面作りによって相対的に違和感を覚えたためであり、おそらく普通に視聴していたらわざわざこんな指摘しなかっただろう。
そもそもこうした記事を書こうと思ったのはヤマカン周辺の騒動ば
本記事で少しでもモヤモヤしているWUGファンの心が収まれば幸
何よりWUGは中の人のパフォーマンスが素晴らしい。僕がWUGに関心を持ったのはMONACAフェスでのパフォーマンスに感動したからに他ならない。
さまざまに才能があるものがバラバラになっていく様子を観測していくだけでは、WUGオタクはみんな流石に去っていくだろう。
前作放映当時、視聴していない人間に限ってあのパンチラアニメだろwwと揶揄していたのを必死に堪えてきてこれまで応援してくたオタクが少なからず存在する。そうした人のことを思うと、現状WUGのおかれている状況にどんな感情を持っているか筆舌に尽くしがたい。
新章はそうしたオタクを魅了してくれる作品になってくれることを心から願っている。
そしてどうか旧作1話のこの台詞が、近いうちに新章で活躍するWUGを表すマイルストーンとして、どこかで輝く日が来ることを願ってやまない。
でもよかったよね。また活動できるんだもん。
*1:そもそも前掲した仙台駅の時計が13時、やまびこだと東京まで2時間かかる。仮に出演した例の番組が六本木の某番組だったとして、16時入りは必至のスケジュールだ。あまりに遅すぎる
【備忘録】光回線のおかげでドコモでドッタンバッタン大騒ぎしました
みなさーん!!2年毎の携帯MNPしてますかー!!
僕は昨日してきました!!ついでに光回線も移行しようとしたんですがおかげで余計な工事は増えるわ変なお金かかるわでハチャメチャな状態です!!
今日は「MNPついでに光回線も移行しようとしたらめちゃくちゃ面倒なことになった」話です!!!
なんかもう!!!こんな!!テンションです!!!
普段のブログではありえないテンションで!!お送りいたします!!!
割ともうこんな感じです。
よつばとはみうらのかーちゃんが好きです。
・事の発端
先日まで携帯はソフトバンクを利用していたのですが、契約2年目終了に伴う更新のお知らせが来ました。
「きっと多分3年目に入るといろいろ割引がなくなって料金上がるよな…」と考えてソフトバンクショップへ。
ちなみに契約状況は
iPhone6/月2G 約2200円(端末代金払済)
ポケットwifi/月7G 約700円
といった感じで、ソフトバンク光の割引が大きく貢献して、モバイル月9G+光回線を10000円程度で利用していました。大手キャリアにしてはだいぶ安いと思います。
そう、光回線とセットにすると携帯料金はお安くなるのです。
そして訪店し店員さんに確認をお願いしました。
「すみません、三年目入ると料金どうなりますか?」
「そうですね…(ポチポチ)…だいたい月6000円上がりますね」
「そうですかろくせんえ…ろくせんえん!!?」
ろ く せ ん え ん!!
末っ子の僕はこういう時驚きの様子を一切隠せません。みくはお魚が苦手なのにゃ。
5000兆円資産で有名なインターネットの皆様に於かれましては月6000円など大した金額ではないと思いますが、最近やっと中流の生活が営めそうになってきた身分の僕にとってこの額は大きすぎます。
というかサービス内容が一切変わってないのに大きく金額が上がるというのは、それまでが安かったからとは言え非常に抵抗感があります。
正直apple careや留守電サービスまで取っ払っていてもう削る所がないのは重々承知しているのですが、一応店員さんにプラン全体見直してもらいました。
「どこか安くなりませんか…?」
「そうですね…通話プランを変えるくらいしか…それでも500円くらいしか下がりませんね…」
「そうですか…わかりました、考えときます…」
こういう時ってショップ店員さんの腕の見せ所だと思うのですが、全く引き止められもせずすんなり退店させていただきました。
さようなら白戸家。二度とペッパー君に挨拶することもなかろう。したことないけど。
さて値上がりは仕方ないにしても、流石に額がでかすぎます。
というわけで隣のドコモショップでMNP前提で料金を聞いてみることに。
ここからが悲劇の始まりでした。
・光の悲しみ
平日の夜、15分ほど待って案内をいただくことに。
新卒2-3年目くらいのフレッシュな感じのお兄さんに案内してもらいました。
「MNP検討してるのですが…」
ソフトバンクでの料金体系を説明し、MNP+光回線の転用で同程度の金額になるようなサービスがあるかを訪ねました。
今や携帯会社はシェアの取り合いの業界ですから、MNPでの転入は願ったり叶ったりなのでしょう、とても熱心に説明してくれた上にいろいろ割引もしてくれました。
結果としてiPhone7を新規購入し(7万円程を一括払い)、月20G+光回線の転用で月額11000円程度に収まる計算を出してくれました。
もともとのソフトバンク料金より若干値上がりしますが、ルーターの持ち運びから解放される点、月使用量が10G程増えているので許容範囲と判断しました。
何も変わらないサービスに6000円払うよりはずっとマシです。1年も放っておけばそれだけでiPhone7が買えてしまいますから。
転出の事務手数料など諸々の費用も発生していますが、ポイントでの還元などでだいたい相殺されているのでここでは割愛します。
翌日再来店し、まずは携帯のMNPから。
仕事柄細々とした契約書を読むことが多いので、長い契約内容の確認もさほど苦ではなくなったことに大人になってしまったな…と少しさみしい気持ちになりつつ滞りなく転出完了。
そして次は光回線の契約です。
改めて書きますが、手持ちの光回線を切り替え(転用)することで、携帯料金の値引きが受けられたりします。
前回ソフトバンク使用時、当時フレッツ光を契約していたものをソフトバンク光に切り替えることで、大幅な値引き対象となりました。
ちなみにその際に特別な工事や大きな手数料などもなく、とても便利なもんだなーと思ったものです。
今回も同様に切り替えをする予定でした。
「もともとフレッツ光だった回線をソフトバンク光にしているので、今度はドコモ光にしたい」旨を前述の店員さんに伝えたところ可能だということで、ならばと思ったのです。
しかし窓口で手続きをしていくとどうも雲行きが怪しい。
前日の説明の時と別の店員さんが対応してくれたのですが
「このままですと工事がかかりそうです…」
「えっかかるんですか?(かからないって聞いたのに…)ちなみにどれくらい…?」
「そうですね…新規扱いで、18000円工事費用がかかります」
「なるほど18 い ち ま ん は っ せ ん え ん」
ドウイウコトデスカ日本人お金大好きネ!!!
多田李衣菜はミントが苦手らしいぜ!!
詳しく聞いていくと、どうやら「一度転用された回線は再転用できない」らしいのです。
どういうことかというと
・フレッツ光→各種キャリア光サービス(僕の場合ソフトバンク光)
これは「転用」扱いで、特に大きな工事もありません。
しかし
・各種キャリア光サービス(今回はソフトバンク光)→各種キャリア光サービス(ドコモ光)
はもともと不可能で、回線の引き直しになるということなのです。
つまり今現在、光回線が入っているにもかかわらず、ソフトバンク光は解約した上で、ドコモ光を工事し直して光ケーブルから導入し直さなければならないということなのです。
こうなるともうハチャメチャです。工事も立ち会わなければならずそれなりの費用も発生してしまいます。全部ご破算にしようにもすでに携帯はMNPしてしまっているので後戻りできません。
あまりこういうことはしたくない性分なのですが、工事の部分は一切説明を受けていない旨を伝え、工事費用はキャッシュバックで相殺してもらうことにしました。
それでも工事立会で休日半日つぶさなければならず、一人暮らしには痛いロスです。
その時の様子がこちらです。
人生で数える程しかない完全にクレーマーになってるやつやってる(助けてくれ
— 信じる心は魔法 (@sakasakaykhm) July 13, 2017
人に対して文句言うという行為自体に自分がストレス受けるタイプなのでよっぽどのことがない限りそういうことしないからめちゃくちゃ精神が疲弊してる
— 信じる心は魔法 (@sakasakaykhm) July 13, 2017
よくよく考えたら携帯キャリア各社が光回線サービス提供し始めたので2015年なので、今年が初めての2年更新のサイクルなんですよね。
そう考えると僕みたいにMNPと合わせてキャリア間での光回線の移動させたいという人間が出てくるのがちょうど今年ということになります。
アラサーも佳境になってきてライフステージが変わってきている友人も多いのですが、ご家庭の通信費を見直す際にはこうした事情が発生する可能性もあることを知っておいていただければ幸いです。
というか2年毎に乗り換えしないと大幅にサービスコスト悪くなる商売って本当どうなんだろう、と今回改めて思いました。
結果としてiPhone7が手元に来ましたので、適当なタイミングでSIMロック解除してMVNOに移行することなると思います。
以上、大手キャリアのMNPも一筋縄ではいかなくなってきているというお話でした。
はーもうおっぱいおっぱい。
笑ゥせぇるすまんでバブル末期の日本を感じてみる
笑ゥせぇるすまんNEWが放送中ですが、Amazonプライムビデオほかで初代笑ゥせぇるすまん(89-93年版)が配信されています。
放送当時、すごい怖くてすごい好きでした。
いや今見ても怖いけど。
当時3才とかだったので、喪黒福造が迫りくるOPが本気でこわかったんですけど、それでも毎回ガン泣きしながら何故か観てました。
あれから幾星霜、作中の登場人物のように都心の電車に毎日乗って労働しているようになるとは、幼児の時分には露にも思いませんでした。
それにしても働くようになってから見てる本作は味わいが違います。
何より現代との労働感の違いを端々に感じ、ああバブルとはこういうものだったのかと驚きを禁じ得ないわけです。
こんな風に…
「仕事が無いならさっさと帰り給えよ。…全く、無駄な残業手当が増えて困っとるんだから」(ともだち屋)
定時後にぐずぐずしているサラリーマンに対しての上司のセリフ。
なんてすばらしい上司でしょう。
ちなみにこの会社、定時5時でこの帰宅ぶりです。
パソコンが1台もないのもまた時代を感じます。
お次です。
「毎日空手の特訓をしてください」という喪黒に対して。
「残業だって週に2日はあるし…」(空手道)
週2日だそうです、残業。そしてこの会社も定時5時です。
つまり週3回はこの人5時で退社してます。
今日び中学生でも下校してるか怪しい時間です。
ちなみにこの回には若かりし頃の大塚明夫がオカマのチンピラ役で出演しているので是非チェックしてください。
続きます。
「あのねえ、勤務時間終わったらさっさと帰ってくださいよ」(家の灯)
警備員にすら退勤時間を注意される時代のようです。
そして就職観もだいぶ異なるようです。
「僕は東大を出て大蔵省に入り、銀行に天下ってやがては頭取になるのが夢なんです!」(キッス占い)
素直すぎて意識高い系より好感が持てます。
極めつけがこのセリフです。
リゾート販売の契約がとれないサラリーマンに対して
「今は金余りの時代なんだぞ!」(ナマケモノ)
めっちゃ言ってみてえ…金余ってるって言ってみてえよ…
あとは合コンが海外リゾート旅行だったり、やたらゴルフと麻雀ネタが多いのも時代を感じます。
現在放送中のNEWでは過去作品のリメイク回もあるのですが、こうして見ると今の時代にはミスマッチになってしまったストーリーも多いのですが、それでも現代に通じるテーマは健在のように感じます。
最後にステキ喪黒福造ショットでお別れです。
#感傷的な喪黒福造 pic.twitter.com/WP76UT8q5J
— 愛を拒否しないで⊿ (@sakasakaykhm) 2017年6月7日
#花に埋もれる喪黒福造 pic.twitter.com/9QclADKa70
— 愛を拒否しないで⊿ (@sakasakaykhm) 2017年6月5日
グラビアじゃん pic.twitter.com/i9HbanThnq
— 愛を拒否しないで⊿ (@sakasakaykhm) 2017年6月4日
#覗き込む喪黒福造 pic.twitter.com/DhnWgHZbcl
— 愛を拒否しないで⊿ (@sakasakaykhm) 2017年6月4日
— 愛を拒否しないで⊿ (@sakasakaykhm) 2017年6月4日
推しがいなくていい。欅坂46そのものを推せ。
人生で初めてアイドルというものに心から感動しています。
欅坂46という集団がすごくて、エモくて、もうどうしたらいいんでしょうか。
・「欅坂46という集団」であることの意識
まずは衣装を見てください。
無個性、というよりは少個性といった方がいいでしょうか。多少の差異は年齢などで設定されているものの、一見した程度ではほとんど違いがありません。
露出も極めて少ないシンボリックな衣装は、つとめて彼女たちを欅坂の一部たらしめる軍服のような様相を呈しています。
またマスゲーム的な振り付けは、MVというよりも舞台のパフォーマンスに近く、特定のメンバーのアップシーンすら逆光演出でほとんど見えません。
個人の魅力を並べる形ではなく、集団性こそが欅坂46の魅力の基本です。
つまり飽くまで欅坂46の入り口は個々人の魅力ではなく、その集団性にあるのです。
・都市性と少女性
この手の制服女子のダンスパフォーマンスと言えばフジファブリックの銀河といった先行した作品が思い浮かびます。
日常に潜むストレンジのモチーフとして、女学生の存在感がいかんなく画面に表れた名作です。
一方で欅坂46のMVは都市の記号性、特に湾岸地域との親和性を意識しています。
文化性を排除し、機能性に特化した開発の結果である湾岸地域の風景は、前述した無個性的な衣装と通ずるものがあります。
またサイレントマジョリティーのMVでは渋谷駅周辺の工事現場を使用することで、本来渋谷周辺の土地に内包される大衆文化性から明確に欅坂46の存在を分離することに成功しています。
「渋谷の裏にはこんな顔がある」、といった感じでしょうか。
それでいてかつ、工事現場という未完成の象徴の場を用いることで欅坂46、ひいては少女性自体の不完全さも強調しているわけです。
そしてコウモリが棲みつくような渋谷川にアイドルを足から浸からせる違和感は、一種のシュールレアリズムにも通ずるものがあります。
・無機質×無機質×無機質…そこから見えてくる輝き
露出の少ない軍服のような衣装、無機質な湾岸都市の風景、美しさとはかけ離れた大都市のの陰日向のじっとり感…。
それらの結果として、各メンバーの持つ個性が相対的に輝くわけです。
集団性×都市性の無機質の乗算の中から、メンバーの個性がじわり、きらりと光り出す。
それが欅坂46の魅力の第二段階です。
そして己にかけられた武装に誇りを持ってパフォーマンスを作り上げるメンバーのひたむきさに気づく頃には、彼女たちから目が離せなくなっているのです。
「推しがいないとアイドルは応援できないんじゃないの?」
そんなステレオタイプから抜け出す機会を、欅坂46は僕に見つけせてくれました。
愛を拒否しないで
二人セゾン/欅坂46
クソアニメに当たりたくなかったら、記録をとりなさい。
※全国1000万人のアニメ視聴者の様子
この記事は「どんなアニメも糧になる」の人向けではなく、「時間が許すならいろいろアニメ見たいけど、そんなに余裕もないのでなるべく自分の好きな作品に巡り会いたい」というタイプの人に向けて送る記事です。
そして好きでもない「クソアニメ」という単語を、センセーショナリズムのためにタイトルに用いてしまった点をお詫びします。
クソアニメという単語が使われる瞬間というのは、単に自分が作品を楽しめなかった責任を作品側に押し付けている場合がほとんどですので、もしそのような単語を使ってしまいそうな時は自分の品性を省みる瞬間かもしれません。(本当に制作側に責を感じているならば、そんな単語使わずとも詳細に理由を語れるはずです)
アニメ視聴という習慣がついて10年ほどになります。
地元は地上波過疎地域ということもあり、大学で関東に出てきて初めてアニメをちゃんと見るようになりました。
田舎者なので「深夜にアニメやってる」のはただただ衝撃だったのです。
記憶が正しければ、初めて見た深夜アニメはtvkで放送してたさよなら絶望先生1期でした。
それから10年、今では女児アニメにまでその活動範囲を広げてアニメ視聴するようになりました。
でまあ、言い方は悪いけど視聴し終わって振り返ると「これは見なくてもよかったな…」という作品も多いんですよね。
それは作品のクオリティと関係なく、単に合う/合わないというのがほとんどなのですが。
もちろんリアルタイムで作品を追いかけると、予期してなかった急展開(それは突然の神作画とか無理矢理過ぎる結末とか)に出会うこともアニメ視聴の醍醐味のひとつですが、正直そればかり楽しみにするには時間がかかりすぎます。
1作品1クール12話なら約6時間、これが10も20もあったら結構いい時間になります。
しかも10年もいろんな作品を見ていると「あ、この作品の感じ昔見た○○っぽいな」と感じることもあり、別にそれ自体が悪いことじゃないんですが、やはり見る側としてはもっと新しい面白さを見つけたいわけです。
というわけで漫然と視聴しがちだった昨今のスタイルを見直すことにしました。
・まずは視聴ログを取る
感想とかではなく、とにかく「見た」という記録を取ることにしました。
これにはAnimetickというサービスがとても便利でした。
Animetick / アニメティック - アニメ視聴管理サービス
twitterアカウントでログインし、自分の視聴地域をchannelから設定。
その後はクール毎に視聴予定のアニメを設定すると、放送日以降に視聴を確認するボタンが話数毎に出てくるというものです。
このサービスのいいところは全部クリックで完結するところで、コメント機能とかもないシンプルさが便利であると感じています。
過去の作品も遡ってチェックができるので、とりあえず2年分くらいのチェックを入れてみることにしました。
するとかなり容易に、今まで自分で気がつかなかった事実が見えてきました。
・好みがよりはっきりしてくる
僕の場合、以下のような気づきがありました。
・1クール10-15作品程度視聴している。多くて18-19作品くらい。
15作品とするならば、90時間前後/クール、アニメ視聴に費やしている。
・冒頭に書いた「これは見なくても良かったな…」という作品が、毎クール3-4作品、時間ベースで20時間前後分くらい発生している。
・逆に「これは良かった!」という作品がだいたい3作前後は発生している。
そして時系列的に視聴ログを辿ると、「あ、この監督の作品は合わないんだな…」とか、「ここの会社のやつは好きな作品多いみたい」といった、いままでぼんやりとしか分かっていなかった傾向がハッキリ見えてきます。
意外と落とし穴だったのが「原作が好きで見ていたけど、そんなに記憶にない作品」というのが少なからず存在すること。
原作が好きならアニメも好きだろう、という思い込みを崩す結果となりました。
メディアの違いを理解せよ、ということですね。
結果として、毎クールの作品選定の精度が上がっているのを感じます。
またこれによってさらに気がつく部分がありました。
・アニメ視聴への感覚が柔らかくなる
いい意味でアニメ視聴への執着というものがほぐれてきました。
・この作品を見ておかないと、世の中の話題についていけなくなんじゃないか
→そもそもそれは主にインターネットで騒いでいる人が多いだけで、気になったらオンデマンドで追いかければよい。ラブライブ!サンシャイン!!なんかは地上波とほぼタイムラグなしで配信されていた。
・面白い瞬間(例えばクソアニメ的とんでも展開とか)に乗り遅れてしまうのではないか
→面白い瞬間はいつ見ても面白いから後追いでも十分面白い。
この手の感情は往々にしてかなり強迫的な部分があり、誰に課されたわけでもないのにある種の義務感となっている人も多いのではないでしょうか。
そもそも視聴作品を絞ったことで時間が余っているのだから、本当に面白い作品ならそこで補填すればいいわけです。
さらに言うなら空いた時間で他のメディアに触れたり外で遊んだりと、有意義な時間を作ることも可能でしょう。
ここまで書くと「アニメ視聴に効率性を持ち出すなんて!」と思わる方も必ずいると思います。
しかし年間200作近くアニメが放送されている昨今で、数をこなして視聴することはよっぽど時間に余裕のあって情熱のある人か、もはやライフスタイルにガッチリ根付いている人でなければまず不可能でしょう。
ただ、もしそうした人がなんの感想記事も書かずに視聴しているとしたら、それこそ記録をとり、「年間100本アニメ見る俺が選ぶ最高の1本」という記事を書くべきだと思います。
その記事は年間50本弱しか視聴していない僕が書くよりずっと説得力があります。
よりよい人生を送るために、より自分にフイットした視聴スタイルでアニメに付き合うのもまた一考かと思います。
今のところ空いた時間で原作を先取りしている響け!ユーフォニアム2が楽しみでたまりません。
ユーフォ2期に向けて原作2巻読み進めてるんだけど、おーまえちゃんと麗奈の""""引力""""が1期と比べものにならないレベルで天元突破してて、これが映像になったら過呼吸になって死んでしまう予感しかしてない
— 宮水三葉の眉毛 (@sakasakaykhm) 2016年10月5日
そして、次の引力が始まるのです。
それでも彼は「俺たちの新海」でいてくれた―『君の名は。』鑑賞後のセカイで。
「俺たちの」構文が嫌いだ。
対象物に勝手に不特定多数が群がり、程度の差はあれ、自分の外側にある人/モノに拠り所のようなものを求めている姿は、あまり見られたものではないと思う。
バンド界隈なんかだとこれが顕著だ。
インディーズでそこそこ人気が出てメジャーデビュー。本来ならば喜ばしいサクセスストーリーを「彼らは変わってしまった」「もう俺たちの知っている○○じゃない」と、誰が言い出すでもなく、勝手に落胆する層が少なからず存在する。
それと同じ現象が『君の名は。』の公開にあたり、新海誠への感情として、自分の中に湧き上がってしまう不安をぼんやり抱えていた。
本当に傲慢な感情だと思うけど、やはりメジャーデビュー現象というものは人を不安にさせるものらしい。
僕が初めて『秒速5センチメートル』を視聴してから8年。
過去作品やインタビュー本をあさり、ポストモダン論に手を出しセカイ系という概念で学部の卒論を書いてから5年。
それからも新作映像が公開される度にこうして記事を上げてきた。
他にもたくさんのアニメやらマンガやらを見てきたけど、ここまで作家追いをしている人間は他にいない。
サントリーとタイアップ? JRの広告? 音楽は全編RADWIMPS?
あれ、新海誠ってインターネットとか論壇であーだーこーだーワヤワヤ語りたがるような人間が騒ぐような作品作ってきたんじゃなかったっけ?
そりゃ大成建設とかZ会のCMとかもあったけど、こんな急に「陽の目」に出てきたら、どーなるの!?
言葉は違えど、長らく彼の作品を追ってきた人間ほど似たような感情を抱えたことと思います。これは完全に冒頭のメジャーデビュー現象に罹患していると言える。
それでも僕は、作品公開決定の時点でアップデートされた監督本人の言葉を信じたかった。
新作『君の名は。』が今夏公開予定です。 本作について監督本人がこう語っています。
追記。
最後に、この個人サイトを見てくださるような、昔からの(ディープな)ファンの方々へ。『君の名は。』には、僕の過去作のモチーフもたっぷりと盛りこまれています。
もちろん新しい要素も多くありますが、過去作を熱心に観てくださっていた方ほど、連続性や語り直し、アップデートに気づいていただけるはずです。 子供から大人まで多くの観客に楽しんでいただける映画を目指していますが、この映画を最も楽しむことができるのは、やはり皆さんです。
今作でもぜひ、映画館に足を運んでいただけると嬉しいです。
Other voices-遠い声- » 劇場長編アニメーション『君の名は。』
2年近くかかって新海誠『小説 言の葉の庭』を読んで分かった、今までとこれからのこと - 1k≒innocence
(太字は本稿で加工)
結果どうだったか。
監督はこの言葉を、『君の名は。』でしっかりと達成してくれました。
この点についてはさよたまさんの記事が詳しいです。
今まで自分は何を見ていたんだ。そうだ、これは集大成なんだ。
主人公・瀧と、ヒロイン・三葉がスマホ(携帯)でやりとりするのは『ほしのこえ』だ。
眠りで異なる時空に繋がり、そして大切なものを忘れてしまうのは『雲の向こう、約束の場所』だし、電車に乗りヒロインを探す、桜の描写、雪の降る歩道橋は『秒速5センチメートル』だ。
あの世とこの世を繋ぐ場所というのは『星を追う子ども』で、万葉集が出てくるのは『言の葉の庭』である。雪野先生も出てくるしね。
新海信者が『君の名は。』を見て新海誠に敗北した話 - せまひろかん
『ほしのこえ』について追記するのであれば、本当にわずかだが「文字化け」が描写されるシーンがある。
『ほしのこえ』に於いて文字化けしたメッセージというものがどんな意味を持つか、視聴済みの人間はそれだけで勝手に様々なイメージを想起できる。
さらに言うならばヱヴァシリーズ、細田版時かけなど自作品以外からの引用も多数見られた。
こうして新海誠は、しっかりとオタクのための視聴スタンスを本作でも貫いてくれた。
「わかる人にはわかる」ように、さりげなくモチーフをちりばめ、監督本人と「これってアレでしょ」といったコミュニケーションを擬似的にとらせてくれるような、そんなポイントを、本当にたくさん用意してくれた。
過去に例を見ないほど大規模な公開を予定した作品で、監督はそれをやってのけた。
本人のメッセージどおり、新海誠は「俺たちの新海」でいてくれたのだ。
さらにはエンディングでは『秒速結末』問題の解決を図り、これまで希薄だったキャラクターの身体性の強い描写をRADWIMPSの世界観と共有することでシナジーを発揮し、さらには先発作品のベーステーマであった「距離/distance」から、さらに踏み込んだ「つながり/connection」という新しいテーマ性が提示された。
こうして『君の名は。』は既存作品の「精算」にとどまらずに新しい道すじを示してくれました。
本作、そして新海監督本人の懐の広さに甘えて、もうしばらく「俺たちの新海」と、笑っていたいと思います。
本編中、繰り返された「たそがれ(誰そ彼)」「片割れ時」という言葉で思い出した楽曲がありましたので、それを引用して終わりにしたいと思います。
左は僕ので 右は君の
左は君ので 右は僕の
一人じゃどこか欠けてるように
一人でなど生きてかないように
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「ほんとにありがとうございました
色々とお手数おかけしました
最後に一つだけいいですか?
どっかでお会いしたことありますか?」
オーダーメイド/RADWIMPS